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【みちのく潮風トレイル】東北を歩いて旅する、ありのままを体験する

「みちのく潮風トレイル」は、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興に資するため環境省が策定した、三陸復興国立公園の創設を核とした「グリーン復興プロジェクト」の取組のうちの一つです。
環境省をはじめ、4県にまたがる関係自治体、民間団体、地域住民の協働により、青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの沿岸地域で段階的に開通が重ねられ、2019年6月9日、全長1,000キロを超えるナショナルトレイルとして全線開通しました。

 

1.みちのく潮風トレイルの魅力

トレイルとは、森林や原野、里山などにある「歩くための道」のことです。

特に「みちのく潮風トレイル」は、三陸復興国立公園として指定される東北太平洋沿岸ならではのダイナミックな自然が連なる美しくバラエティーに富んだ景観を有するロングトレイルです。自然とともにある人々の暮らし、積み重ねられた歴史・文化は、厳しくも豊かな自然の恵みと重なり合いながら今に繋がっています。歩く中で生まれる人と人との温かな交流も「みちのく潮風トレイル」の大きな魅力の一つです。

 

北は青森県八戸市、南は福島県相馬市まで、東北太平洋沿岸1,000キロを超える道のりは、世界にあるロングトレイルの中でも、海岸線を長く歩くことが特徴的です。東北沿岸の起伏ある複雑な地形を歩く道中には、多くの出合いが待っています。
歩く速さだからこそ見えてくるもの。長く歩くからこそ気づけること。あなたの知らなかった東北をもっと知ることができるはずです。

 

2.みちのく潮風トレイルの歩き方

この全長1,000キロの長い道のりの楽しみ方は人それぞれ。

休日の一日や土日に、歩くのをメインに、または観光と組み合わせて、丸一日や半日をかけて楽しむ「デイハイキング」。週末や連休などを利用して、1泊2日や数日間をかけて、トレイル全体の一部区間を通して歩く「セクションハイキング」。1か月かそれ以上の期間をかけて、全線を歩くことを目的とした「スルーハイキング」。

最初から「スルーハイキング」を目指すのは少しハードルが高いけど、普通の観光では見られないものが知りたいという方には、デイハイキングがおススメです。

 

3.エリアごとの特徴

「みちのく潮風トレイル」が通る東北太平洋沿岸は、その複雑な地形から、海沿いを中心に大小の集落が生まれ、個性豊かで、多様な文化を育んできました。続いては、そんな多様な文化を育んだ、それぞれの地域を紹介いたします。

〔南部〕沖積平野エリア

「みちのく潮風トレイル」の最南端は、福島県相馬市松川浦。阿武隈山地北端の低山を経由し、宮城県石巻市西部までは東北地方最大の仙台平野を北上します。仙台平野は最終氷河期後およそ1万年前以降、いくつもの河川から運ばれた土砂の堆積などによって、徐々に海が後退してできた平野で、他のエリアに比べ空が広いです。広大な砂浜が広がる仙台湾は、緩やかに弧を描く海岸線が美しいです。

©Koji Iwama
©Koji Iwama

〔中部〕リアス式海岸エリア

宮城県石巻市街を抜け、北上山地の最南端、牡鹿半島に入ります。岩手県宮古市までのこのエリアでは、リアス式海岸を堪能できます。この地におけるリアス海岸は、およそ1万年前に山間の谷間の奥まで海が入り込んでできた地形で、海に突出したような半島と深い湾が繰り返すギザギザの海岸線が特徴です。ルートも半島と湾に沿うようにギザギザしており、潮風を感じるには絶好のロケーションです。

©Koji Iwama
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〔北部〕海岸段丘エリア

宮古市からトレイル最北端の青森県八戸市蕪島までは、海に断崖が直面する場所が多く、直線的な海岸線に変わります。数十万年前の波打ち際でできた平坦な面が徐々に地上に隆起した海岸段丘が分布しています。蕪島周辺は十数m、岩手県田野畑村周辺の段丘は標高差200m近くに及びます。段丘の上部は平坦で歩きやすいですが、そこに刻まれた大小様々の谷が何度も現れるため、高低差を楽しめるハードな区間ともいえます。

©Koji Iwama
©Koji Iwama

※「みちのく潮風トレイルインタープリテーション計画~トレイル解説読本~」より抜粋

 

4.関連モデルコースの紹介

最後に、これまでご紹介した「みちのく潮風トレイル」の一端に触れることのできる、仙台発着の観光モデルコースを2つご紹介します。

① 三陸の雄大な海を眺めながら沿岸グルメを満喫する旅

仙台から電車とバスを乗り継ぎながら、三陸沿岸を巡るコースです!三陸の海を見渡しながら「みちのく潮風トレイル」のコースも歩きつつ、新鮮な魚介を使った三陸のグルメを満喫できるモデルコースです!

 

② 奥入瀬渓流で癒され、八戸の朝夕の魅力に浸る旅

日中は十和田八幡国立公園で、奥入瀬渓流の澄んだ空気で心身ともにリフレッシュしながら、夜には地場の味覚を堪能できるモデルコース!旅の途中には、「みちのく潮風トレイル」の北の端である蕪島にも訪れます!

 

もっと詳しくみちのく潮風トレイルを知りたい方はこちら

問い合わせ先:022-398-6181(みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター)

 

※本記事の作成には、認定特定非営利活動法人みちのくトレイルクラブにご協力いただいております

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